お姫様は桃太郎?!
「ケーヤク済ませてヘンゲした方がいいんじゃないかしら?」
突然のお母さんの発言は、私の耳に入っても頭には入ってこなかった。
ケーヤク?
ヘンゲ?
何の話をしてるの?
『桃華!桃華!!』
「…何よ」
『そこの団子、もらっていいっスか?』
短い前足で指されたのはコタツで、その上にはパックに入った団子がある。
二本あるその内の一本を取りだし、マシロの前に突き出した。
「オラ、食え」
マシロは器用に、三つ並んだ団子の一番上のをパクリと食べた。
モゴモゴと口を動かして、そして爽やかな青年の姿になった。
全裸の。
…え?
「やった!成れたっス!!」
「良かったけどまず風呂!すっぽんぽんじゃんか!!」
袁次は青年を連れて早急に風呂場に引っ込んだ。
お母さんはクスクス笑っていて、私はただ目の前で起きた事が理解できずに立ち尽くした。
マシロの毛が付いた、串団子を片手に。
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