お姫様は桃太郎?!
2
発言に耳を疑っていると、さらにお母さんは畳み掛けた。
「今は猿と犬がいるわ。あと一人、雉(キジ)を探しなさい」
「は?」
「そしてこれから現れる鬼とその下部を、皆で力を合わせて退治しなさい!」
「…ねぇ、ちょっと待って」
一気に言われた言葉を、頭の中で整理した。
桃太郎。
犬、猿、そして雉。
鬼とその部下を退治。
「…何の冗談?」
それしか言えない。
ただ目の前に、動物と人間の姿を持つ生き物…弟がいるのは確か。
お母さんはため息をついて、飲み込みの悪い娘を、私を見た。
「これは本当。全て現実よ」
そう言われても…。
いきなり突き付けられた現実を、はいそうですかって受け入れれる筈がない。
ただお母さんの目は、いつになく真剣だった。
「貴方達も自己紹介なさい」
お母さんに促されて、青年は立ち上がって服のシワを伸ばした。
その衣服は見た事があって、ちょっと小さそうな様子から袁次のモノだと気付く。
「犬岾真白(イヌヤママシロ)っス。臣獣の名はマシロ」
そう言うなり、私の目の前に片膝をついて頭を垂れた。
その隣に、チョコンと小猿が座って言う。
『俺の名前はエンジ。人形の名は弘雄袁次(ヒロオエンジ)』
.
「今は猿と犬がいるわ。あと一人、雉(キジ)を探しなさい」
「は?」
「そしてこれから現れる鬼とその下部を、皆で力を合わせて退治しなさい!」
「…ねぇ、ちょっと待って」
一気に言われた言葉を、頭の中で整理した。
桃太郎。
犬、猿、そして雉。
鬼とその部下を退治。
「…何の冗談?」
それしか言えない。
ただ目の前に、動物と人間の姿を持つ生き物…弟がいるのは確か。
お母さんはため息をついて、飲み込みの悪い娘を、私を見た。
「これは本当。全て現実よ」
そう言われても…。
いきなり突き付けられた現実を、はいそうですかって受け入れれる筈がない。
ただお母さんの目は、いつになく真剣だった。
「貴方達も自己紹介なさい」
お母さんに促されて、青年は立ち上がって服のシワを伸ばした。
その衣服は見た事があって、ちょっと小さそうな様子から袁次のモノだと気付く。
「犬岾真白(イヌヤママシロ)っス。臣獣の名はマシロ」
そう言うなり、私の目の前に片膝をついて頭を垂れた。
その隣に、チョコンと小猿が座って言う。
『俺の名前はエンジ。人形の名は弘雄袁次(ヒロオエンジ)』
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