お姫様は桃太郎?!
真白はチョップされた頭を押さえながら呻き、そしてふと私に視線を向けた。
上から下までなめまわすような真白の視線に、鳥肌が立った。
自分の両肩を抱える。
夜、暗い中で見る真白の双眸は異様な光を灯していた。
「…いや、仕方ないっスね。今日は袁次の部屋で寝るっス」
「仕方ないじゃねーよ!…姉ちゃん、今度部屋に鍵設置してもらおうぜ」
「そうだね。じゃ、おやすみ」
袁次の最後の言葉は冗談に聞こえなかった。
二人におやすみの挨拶をして、扉を閉めた。
再びベッドに潜り込むと、少しだけ温もりが残っていた。
それ以降、二人の口喧嘩は聞こえてこなかった。
私はゆっくりと、深い眠りについた。
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