お姫様は桃太郎?!
 
何だったのか不思議に思いつつも、私は学校へ向かった。


昇降口で、千尋と出会す。

彼女は丁度、お兄さんと下駄箱で親密に話していた。



…話しかけずらいなぁ。

でも目が合っちゃったし、しょうがないか。



「おはよう千尋」

「あ、おはよう桃華」



笑顔で挨拶を返してくる千尋。

そして隣にいるお兄さん、もとい生徒会長をチラ見した。



流石、美人な千尋のお兄さんなだけある。

彼にはカッコいいという言葉よりも、美しいと言う方が似合う。

今年のミスコンで二位に選ばれただけあるなと、しみじみ思った。



「…なんだ?」



私だけが千尋のお兄さんを見ているのだと思ったが、お兄さんも私を見ていた。

眼光が鋭くて、ちょっと怖い。

身体が一瞬震えた。



「す、すみません!」

「まぁいい。おはよう」

「え?あ、おはようございます」



この人にタメ口はきけない。

きいたら殺されそうだ。


先程から、女子生徒達の視線が私に突き刺さる。



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