お姫様は桃太郎?!
3
皆が席についた頃を見計らって、先生は怪しい笑みを浮かべた。
「今日は嬉しいお知らせがある。転校生がこのクラスにきた」
教室は一瞬で騒がしくなった。
よくもまぁこんな朝っぱらから騒げるなぁ。
そのハイテンション、私に少し分けておくれ。
隣の倉知も私同様冷静で、大きな欠伸をしていた。
「女子かなぁ」
「…超かっこいい男であってほしい」
そう尋ねると、予想通りの返事がきた。
倉知は自分から注目を外したいらしいが、それは無理だろう。
今は連ドラに出演している。
有名メンズファッション雑誌では専属モデルをしている。
あまりの多忙さに、学校にきていて大丈夫なのかと心配になってしまう。
「女子は喜べ。かなりイケてる男子だ!」
イケメンて言えよ担任。
女子の黄色い声が飛び交う中、そう思った。
そうしか思わなかった。
期待の眼差しが向けられる中、先生に招かれて入ってきたのはヒョロっとした男子だった。
白髪に青眼、そしてスッキリした顔立ちの…真白?!
なんで?どうしてこの学校の制服着てるの?!
どうなってんのよ───!!
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