お姫様は桃太郎?!
 
辺り一面が白い光で包まれ、さっきまでいたはずの公園の遊具は一切無くなっていた。


ただ私と、白い子犬と、二人分の人影が揺れている。



「あ、アンタ達は何者?!」



不安に駆られて声をあげると、たたずんでいた人影が次第にはっきりと見えるようになった。


その二人は、父方の祖父母に瓜二つだった。

悲しそうな表情で、二人は寄り添うようにして立っている。



ただ纏っている服は、歴史の資料で見たことがある着物のようなものだった。



『マシロ、よく今まで桃華を守ってくれたわね』

『御安いご用意っスよ!』


おばあさんがとても優しい声音で子犬を───マシロを誉めると、マシロはお座りをして背筋を伸ばした。

小さいぬいぐるみみたいでとっても可愛い。



でも何で私の名前知ってんだ?


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