お姫様は桃太郎?!
戻ってきたマシロをヒョイと避けて、私は終止符を打った。
地面にベチッと痛そうな音を立てて、そのまま動かなくなったマシロ。
クソジジイは私に向かって、早急に告げた。
『桃華!残りの猿とキジを探し出し、皆で協力して鬼を退治するのじゃー!!』
腰に手をあてて天を仰ぎ、フォッフォッフォーとか笑いやがる。
おばあさんは微笑している。
そして二人の姿はだんだんと薄れていった。
私は兎に角引き留めたくて、叫んだ。
「ちょ、それ桃太郎じゃない!」
『違う』
咄嗟に出た私の言葉に、クソジジイは目を伏せてハッキリと否定した。
姿はもう確認出来ないが、声だけが耳に届いた。
しゃがれた、でも凛々しい声が。
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