お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


「そ、そう?」


引きつりつつも笑って応えるあたし。


ところがモカはその態度が気に食わなかったらしく、「はーぁ」と気だるげに髪をかき上げた。



「やっぱ今日は学校休めばよかったかなぁ。なんかイラつく~」



そのときだった。


意地悪く光るモカの瞳が、ふと、近くの席に移動した。



「なーに見てんだよ、ドブス」


「……っ」



いきなり標的にされたのは、保健委員の川崎さん。


クラスで一番地味な、まっ黒の髪をした大人しい子だった。


< 138 / 688 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop