お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
いや、ちょっと待てあたし。
ドキドキする必要とかなくね?
全然なくね?
うん、ない。
つーか、さっきからチャイム鳴らしてんのに、おっそいなぁ。
もしかして留守なのかなぁ。
一向に開かないドアと睨めっこながら、あたしはさっきのお母さんとの会話を回想した。
『あの、さぁ。お隣さんといえば、昨日、知らない男の子を見たんだけど……』
家を出る直前、白々しくそう尋ねたあたしに、お母さんは口をあんぐりと開けた。