お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


さすがに天の川までは見えないけど、この夜空のどこかで輝いてるんだろな。


そんなことを思っていると

ふいに静かな声が響いた。



「……俺の、願いごとは」


「え?」


「“バカふたりが、いつかもう一度、幸せになれますように”」


「……」



隣に座るアキは、両手を地面について空を大きく扇いでいる。


白い横顔が闇の中でかすかに震えた気がした。



チクン……と小さなトゲが刺さったみたいに、なぜか胸が痛んだ。


< 155 / 688 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop