お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
あたしは握りしめた笹で、意味もなくアキの肩をそっと叩いた。
パサッ……と、乾いた小さな音がした。
「痛ぇよ」
痛くないくせに。
ホントは、心の方が痛いくせに。
その涼しい表情の下に、アンタは何を隠してんの?
「アキ……」
「ん?」
「……何でもない」
パサッ……パサッ……。
小さな葉音だけが沈黙を埋める。
雲に隠れた天の川は、まるでアキの心みたいだと思った。