お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


頬がどんどん濡れていく。


あたしが泣くとこじゃないのに。


でも止まらない。


あふれだした熱い気持ちが止まらない。



アキは今、あたしの目の前にいて。


あたしとしゃべってて。


あたしんちの隣に住んでて。


笑って。食べて。歩いて。寝て。


今、ここで生きてるから……。




「……ははっ…」



小さく笑い、アキは白い手をそっとあたしへと伸ばした。



「なんでお前が泣くの」



わかんないよ。


……ううん。


ホントはもう、わかってるよ。




< 202 / 688 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop