お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~



「うおっ、なつかしー」



ソーダアイスを頬張りながら、あたしは陽ざしに目を細めた。


カンカン照りの太陽の下、弟のノゾムが庭でアサガオに水をあげている。



「あたしもやったなぁ、小学生の頃」


「あんたは毎年枯らしてたじゃないのよ」



リビングからお母さんの嫌味が飛んできた。


夏休みの宿題のアサガオ観察で成功した試しがないあたしは、ウソ観察日記の常習犯だったのだ。

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