お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
「……どうせバレたんだし、素直に認めろよぉ」
おどけた口調でそう言って、アキの肩を小突く。
だけど彼は小さく笑って流すだけで、何も答えてはくれない。
どうしようもない不安が押し寄せる。
嫌だ……。
嫌だよ、アキ。
あたしの知らない人みたいな、そんな顔しないでよ。
「あっ、そうだ! 七夕のときにあんたが話してた昔話、あれって実話でしょー?」
心の境界線を飛び越えたくて、あたしはしつこく食い下がった。