お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
神奈川の……
って、例の……アキと同じ学校だったっていう人?
不意打ちで胸を突かれ、伝票を持つ手に力が入る。
先輩はイトコの女性の方に向き直ると、今度はあたしを紹介した。
「この子は、後輩の南泉穂ちゃん」
「えっ!? マジで!?」
テーブルに肘をついてメニューを見ていた彼女は、先輩の言葉を聞いたとたん、食いつくようにあたしを見た。
「橘アキの隣に住んでる子だよねっ?」
「あ……は、はい」
「今日は橘、来ないの?」
「……」
あたしはぎこちなく笑って、「来ないと思います」と答えた。