お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


家の前に立って、ななめ上の方を見ていたアキは


「あ、おかえり」


と一度こちらを向くと、再び視線を上に戻した。



「ほら、あれ」


「え?」



アキがうながした方向を、あたしも見上げる。



……夏から育てたコスモスが、ピンク色の花びらを開かせていた。



「キレイに咲いたな」


「……」


「てかお前、なんで帰ってきてんの。まだ文化祭だろ?」


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