お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
初めて見る写真の中の彼女は、とても幸せそうに笑っていた。
少女みたいに無邪気に。
両手でピースサインを作って。
「……最初は、その辺にいる普通の女だと思ったんだ。
コイツのどこに健吾が惚れたのか、全然理解できなかった」
ぽつりぽつりと、小雨が降って大地に沁みていくように。
アキの口から優しく語られる記憶。
「でも、いろんなコイツを知っていって……。
頑固なとこも、無鉄砲なとこも、不器用なとこも、ホントはすげぇ弱虫なとこも」
「……」
「気がついたら好きになってた」