お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


「でもそのせいで、みんなを傷つけたんだ。
一度はバラバラになるくらいに俺が壊した。

……なのに、なんでだろな。

俺はあの時間を、やっぱり幸せだったと思ってしまうんだ」



ぱたっ、と涙がひざに落ちた。


あたしが泣いたことに気づくと、アキは罪悪感を瞳ににじませた。


とっさにあたしは首をふる。



「違うの、アキのせいで泣いてるんじゃないから」



ショックとか、悲しいとかじゃない。


好きな人の痛みが、あたしにも痛かっただけ。


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