お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


「せっ…先輩。お友達に電話してみたらどうですか?」


「あ~、俺の携帯、電池切れてるんだよね」


「じゃあ、あたしので――」



携帯を取り出そうとしたとき。


阻止するように、手首をつかまれた。



「……え…」



冷や汗が背筋を伝う。

後ずさりして、ひきつった笑顔を浮かべるあたし。



「…あはっ……何ですか」


「そうやってトボけるのって、泉穂ちゃんの手?」


「はい?」
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