お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


「っ……嫌ぁぁぁああ!!!」



唇が触れる寸前。

無我夢中でふり払ったヒジが、先輩のみぞおちに見事入った。



「ゲッホ……! 何しやが…っ」


「来るなぁぁーーっ変態!!」


「あっ、おい!!」



とにかく人通りの多い方へ、死に物狂いで走って逃げる。


追いかけてくる怒鳴り声。


やっと林を抜けて参道に出たとき、後ろから髪をつかまれた。



「ギャーッ!! いやぁーッ!!」


「うるせぇな!!」



あたりは騒然とし、人が円になってあたしたちを避ける。

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