お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
少し離れた場所で桃を待っているのは、たしかにアキだった。
「あぁ、さっき偶然アッキーに会ったから、バイト先まで乗せてってやろうと思って」
「そう……」
チクン。ふいうちで顔を見ると、やっぱりまだ胸が痛む。
「……泉穂?」
桃に呼ばれ、あたしはハッとした。
「よ、用がすんだなら早く行きなよ! アンタも仕事でしょ?」
「うおっ、そうだ! じゃーな!」
桃がアキを連れて駐車場の方へ歩いていく。
その後ろ姿に、あたしはこっそり手を振った。