お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


ひとけの少ない渡り廊下の下まで来ると、膝を抱いてうずくまった。


遠くから聞こえる野球部の掛け声。


あぁ、そういえば前もこんなことがあったな。


あのときはたしか、アキがウーロン茶を差し出してくれて――



「……」


ふと人の気配を感じ、あたしは顔を上げた。


そこに立っていたのは……桃。



「ほれ」


「……え?」


「飲めよっ」



ぶっきらぼうにバナナオレを差しだされる。

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