お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


あたしは笑いながら立ち上がり、ハンカチで桃の顔を拭いた。



「あーあー、もう。ベタベタじゃん。バナナオレ顔にかぶるヤツ、初めて見たし。ある意味すごいよね~、アンタって」


「……」


「ん?」



ふいに、桃が真顔で見下ろしていることに気づき、あたしは手を止めた。



「そんな風に笑ってるお前、久しぶりに見たな」


「え……」


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