お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
なのに心が立ち止まる。
この気持ちをどうしたら――…
「――泉穂」
突然、背後から呼ばれた。
聞き覚えのある女の子の声で。
サッと桃から離れたあたしは、ふり返り、そして息をのんだ。
「モカ……まりえ……」
「あっ。お前ら、泉穂とかぐやをイジめてた女じゃねーか!」
さっきまでの真剣モードはどこへやら、桃がふたりを指さして番犬のように叫ぶ。
「……」
何の用……?
あっちから話しかけられるのは久しぶりで、思わず構えてしまう。