お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~


なのに心が立ち止まる。


この気持ちをどうしたら――…



「――泉穂」



突然、背後から呼ばれた。

聞き覚えのある女の子の声で。


サッと桃から離れたあたしは、ふり返り、そして息をのんだ。



「モカ……まりえ……」


「あっ。お前ら、泉穂とかぐやをイジめてた女じゃねーか!」



さっきまでの真剣モードはどこへやら、桃がふたりを指さして番犬のように叫ぶ。



「……」


何の用……?


あっちから話しかけられるのは久しぶりで、思わず構えてしまう。

< 565 / 688 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop