お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
そのとき、閉まってた扉が激しく開いた。
「泉穂っ!」
マンションの中から現れたのは、桃。
「大丈夫かっ!?」
桃はあたしを見て尋ね、けれど瞬時に顔色を変えた。
肩にそえられたアキの手。至近距離で向かい合うあたしたちに、気づいて。
「アッキー……」
「そっちは? 大丈夫だった?」
アキが抑揚のない声でたずねると、桃はハッとして答えた。
「あ、あぁ……。大沢がかぐやを連れ出してくれた」