お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
「そう。よかった」
「……」
「泉穂は俺が連れて帰るから」
そう言ってアキはあたしの手を取り、階段を降り始めた。
「っ……おい、アッキー!」
背後から桃に呼びとめられ、ふり返らずに立ち止まる。
「どういうつもりだよ……お前、ホントは泉穂のことどう思ってんだ?」
「……」
「お前の気持ちがどこに向いてんのか、ワケわかんねぇよ!」
怒りを含んだ声。
真冬の夜の空気が、ビリビリ震える。