お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
――『バカふたりが、いつかもう一度、幸せになれますように』
その願いにどんな想いがこめられていたのか。
今ならわかるから、なおさら切なくて、胸がいっぱいになって。
――『やっぱりまだ……俺、そういう気持ちになれそうにないんだ』
立ち止まりながらも進もうとするアキの、一番そばにいたいと願ったんだ。
――『ここにいて』
今もハッキリと思い出せる。
迷子になって震える子どものような、不安げな横顔も、つないだ手の冷たさも。