お隣さま ~放課後のアイツと恋の距離~
「別にイジメってほどのモンじゃなかったけどね。
ある朝登校したら、昨日まで友達だった子たちが口もきいてくれなくなってた」
胸が苦しくなり、ハハッ、と弱々しい笑いをこぼして息を吐く。
「昔はあたし、今と全然違くてさ。
全力投球タイプっつーの?
学校の行事とか部活とか、すげー燃えるヤツだったんだよね。
サボってる子には注意したし、輪に入れない子には“一緒にがんばろう”とか励ましたり。
なんか……そういうとこ、目障りだったみたい。
“泉穂って、ひとりでハリきって痛いよね”って……」
……恥ずかしかった。
みんなに嫌われてたと知ったとき。
悲しいとかムカつくとかより
自分という人間が恥に思えて、いたたまれなかった。
だからもう、あんな想いは絶対したくなくて。
悪口を言われるくらいなら言う側のグループに入ろうと思った。
派手なメイクも、適当に周囲に合わせた態度も、自分を守るために身につけた鎧。
そしてその重さは、日に日に増していく。