ひとつの恋
はじまり
私にはずっと好きな人がいる。
私の思いに気づかないあなたは、いつになったら気づくのだろうか…。
「おい、桜。帰るぞ」
そう私に話しかけたのは幼馴染の潤だ。
潤とは家がお隣さんで、小さい頃からよく遊んでいた。
私は潤のことが好きだ。
でも、この気持ちを伝えることはできない。
伝えたら、今までの関係も崩れるかも知れないから…。
「うん。今行くよ!」
「おうっ!」
私はこんな子供っぽい潤の笑顔を見るだけで胸が苦しくなった。
(私の気も知らないで…)