story【短編】
高井君。三嶋君。


初めは二人のことをそんな他人行儀な呼び方をしていたけど、気付くと“隼人”“ゆう”って呼ぶようになっていた。


茜とはすぐに仲良しになり、学校でも部活でもいつも一緒だった。


そんなある日。


私の高校では恒例の一年生交流遠足の日がやってきた。


私たちは、陸部の朝練をすませると四人で集合場所に向かった。


この遠足では炊飯をするらしく、班の人達で分担して材料を持っていく。私はじゃんけんで負けてしまい、一番重い水係になっていた。


「紗奈ばかだなぁ。じゃんけんで負けなきゃ、そんな重いの持たなくてよかったのに。俺なんて割り箸だぜ。軽い。軽い。」


隼人が笑いながらからかってきた。


「うるさいなぁ。持ってれば慣れてくるの!!」


強がりを言っているとゆうが


「それ、そんなに重いの?ちょっと持たせて。」


私がゆうに水の入っているカバンを渡すと


「うわ。ほんとに重っ!!」


そう言うと、ゆうはカバンを持ったまま歩き始めた。


「ゆう、もういいよ。ありがとう。」


ずっと持ってもらうのは悪いので、私が言うと


「別にいいし。」


そう言って、ずっと持っていてく


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