【短編】ありふれたメロディ

昼休みに陵に動物園でのことを色々と報告した。

「良かったじゃん、楽しめたみたいだな」

そう言って陵は笑ってくれた。

まじ良いやつ。

「それで少しだけ気になったんだけどさ」

「なになに?」

「駅での分かれ際に菜月さんが……」

『ジャカジャカジャカ……』

するとオレの携帯が鳴り始めた。

画面を見るけれど知らない番号だった。

「ごめん、ちょっと出るわ」

そう言って席を立ち、廊下に出た。

通話ボタンを押す。

「あ、もしもし。宮代優太くんの携帯であってるかな?」

何処かで聞いたことのある声。

誰だったかな?

「あ、はい。えっと……どちら様でしょうか?」

「スタジオMUSICの田中です。」

スタジオMUSIC……そうか。

「あ、はい。選考会の?」

そう、勝ち上がっていた選考会の主宰者からだった。

「君たちのバンドに是非決勝で演奏してもらいたいと思ったから推しといたよ。直に正式な発表があると思うから準備しといてね。それじゃ」

「あ、はい。ありがとうございます!」

電話を置いてから心臓がバクバクと鳴り始めた。

やばい超うれしい。



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