【短編】ありふれたメロディ
ふわふわとした感覚のまま席に戻る。
「誰だったの?電話」
陵の問いかけに思わず顔がにやけた。
「うぉっ、なんだよ気持ち悪ぃな」
そうだよな、自分でも気持ち悪いと思うわ。
でも、にやけるのを止めらんねぇ。
「決勝……決勝に勝ち残っちった」
陵は一瞬不思議そうな顔をした。
だけど事の重大さに気付いて目を見開いた。
「うそ!まじで決勝!?すっげぇよ優太」
「だろ?自分でもビックリなんだけどさ、まじやばい。主宰者から直々に電話もらっちゃったし」
陵と一緒にテンション上がりまくり。
二人してバカみたいにピョンピョン飛び跳ねて喜んだ。
「マジかよ。優太いろいろと上手く行き過ぎだろ。……あ、その選考会ってさ客呼べないの?」
少し落ち着きを取り戻した陵。
「客?今回の選考会は数人なら呼べるっぽいけど何で?」