【短編】ありふれたメロディ
高校に着いたオレを待っていたのは
「げっ、陵(りょう)なに勉強してんだよ」
いつも一緒にバカばっかりしている親友が珍しく勉強をしていた。
「なにってハゲ山の課題今日までだぞ?」
ハゲ山っていうのは生活指導の影山。
別にハゲてないけど、なんか事ある毎にオレ達を目の敵にするから、むかついてハゲ山って呼んでる。
あ、もちろん本人の前では呼ばないけどな。
「……うそ。それって来週までじゃなかったっけ?」
「まさか優太、全然手つけてねぇの?」
オレの表情でオレが課題に全く手をつけていないことが分かったようで。
陵はあちゃー、と呟いた。
「これ出さなかったら親呼ぶって言われてたのに、それはまずいよ優太」
「あ、ああ……」
急に手提げが重くなってきて、オレは机に捨てる様に置いた。