【短編】ありふれたメロディ
「本当に申し訳ありません。私の躾が至らないばっかりに」
一週間後、まじで親が呼び出された。
担任とハゲ山とオレとお袋の豪華四者面談。
「全くお前は……進路もミュージシャンとか書いていたよな、確か?」
ハゲ山の言葉にオレの腹の奥で何かが動いた。
「いつまでも、へらへらへらと、進路ぐらいまともに考えられんのか?」
――プツッ。
「……な、何だその目は?」
「ちょっと優太。先生に謝りなさい。」
オレは殴りかかりそうになるのを必死で堪えながら、ハゲ山を睨み付けていた。
母親が何故かオレの代わりとでもいいたそうに頭を下げる。
「バンドか何か知らんがこれ以上学校生活に支障が出るようなら禁止にするからな。分かったか?」
返事もせず、頷きもせずにただじっと睨みつける。
「本当に申し訳ありませんでした。」
そんなオレの頭を母親が無理矢理に下げさせて、進路指導室を後にした。