【短編】ありふれたメロディ
「言ってみなきゃ分からないじゃん」
うん。
分かってる。分かってるんだよ。
それでも、もしも嫌な顔されたりとかしたら。って考えると勇気が出ないんだ。
なよなよしてるってのも自覚してるよ。
「もうさ、諦めたら?」
「は?」
面倒くさそうに言った陵に頭がきた。
「渡しもしないんだもん。もう最初から無理だったって諦めれば良いじゃん」
オレは机を思いっきり蹴飛ばして教室から出ていった。
頭から湯気が出そうなほど、まじで頭にきた。