【短編】貴方の背中
朝日奈部長が、一度喉を整えてから続ける。


「まあ、どんな理由にせよ斎藤様に失礼なことをしたのは事実ですから」


先程までの笑顔と違い、神妙な面持ちで話を聞いていた斎藤社長。


「そうか。それは悪いことをしたな」



会社から出ると同時に、私は朝日奈部長に頭を下げた。


「何から何までスイマセン」


「おいおい、止めてくれよ。こんな可愛い子を謝らせるなんて、まるで私が悪者みたいじゃないか」
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