【短編】貴方の背中
その一連の動作に、私の中の女がざわめく。


「分かったんだろ?」


朝日奈部長の問い掛けに、頷いて答える。


そうなんだ。
どんなに消したいと願っても。
どんなに出したくないとパンツスーツで隠しても。


私は、“女”なんだ。


「私は女です」


満足したような笑顔で答える朝日奈部長。


「そうだ」


そして今、私の女は彼に触れられたいと、


……望んでいる。
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