【短編】貴方の背中
緊張か、はたまた慣れないアルコールのせいなのかは分からない。


残っているのは、断片的な記憶と久しぶりに満たされた感覚。


玄関で見送る中、朝日奈部長の背中に語りかける。


「私、後悔してないですから」


朝日奈部長の動きが止まる。
振り返るその顔は、私の大好きな笑顔だった。


「俺も後悔はしてないよ」


その笑顔に抱き着いた後、“またな”と言い残して朝日奈部長は帰っていった。
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