【短編】貴方の背中
大体のパターンは決まっている。
私の家で軽目の食事をとった後で、少しのアルコール。流れでベッドに向かう。


そして気が付けば、もぬけの殻になっている隣。


そのあとに来る寂しさを知りながらも、朝日奈部長の優しさに頼ってしまう。


朝日奈部長といるときだけは、日向のことを思い出さずにいられるから……。


自嘲気味に口角を上げる。


「ホントに狡い女だな。私って」


呟いた声は、シャワーに掻き消される。
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