【短編】貴方の背中
崩れ落ちそうになる身体を壁に預け、必死に零れゆくモノを止めようとする。
歯を食いしばりながら声を殺して、沸き上がる感情に蓋をした。
生まれたての子鹿のような足取りで、バスルームに向かう。
朝日奈部長が来る前に流さなきゃ。
私に纏わり付く日向を、流さなきゃ。
歯を食いしばりながら声を殺して、沸き上がる感情に蓋をした。
生まれたての子鹿のような足取りで、バスルームに向かう。
朝日奈部長が来る前に流さなきゃ。
私に纏わり付く日向を、流さなきゃ。