【短編】貴方の背中
崩れ落ちそうになる身体を壁に預け、必死に零れゆくモノを止めようとする。


歯を食いしばりながら声を殺して、沸き上がる感情に蓋をした。


生まれたての子鹿のような足取りで、バスルームに向かう。


朝日奈部長が来る前に流さなきゃ。




私に纏わり付く日向を、流さなきゃ。
< 39 / 60 >

この作品をシェア

pagetop