【短編】貴方の背中
矛盾。
割り切りたいと思う私。
一緒に居たいと願う、私の中の女。


寂しさを埋めたいのに、余計に寂しさを募らせる想い。


日向は、たった一瞬の邂逅で私を惑わす。


仮初めの現実は脆く、幸せを感じていた私は俯瞰で見た不幸さに気付く。


心が満たされない。


日向の存在は、予想以上に大きかった。


頭を抱えるようにうずくまる。


日向に触れられた髪は、既に乾いていた。
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