【短編】貴方の背中
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“次の日が休みで良かった”


ハサミが入るたびに“パサッ”と落ちる髪を見ながら、そう思った。


少し寂しくなった首元に、風を感じながら約束の場所に向かう。


“もう一度、話がしたい”


昼前に送られて来たこのメールに、“Candle”での待ち合わせを希望したのは私だ。
あのバーは、人を落ち着かせる空気を持っている。話し合いにはピッタリだ。


多分、今日は飲みたくなる。


そんな……気がする。
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