【短編】貴方の背中
『迷惑だ』


冷たいトーンの初めて聞く日向の声だった。


「えっ、……どうして?」


『今の仕事が初めて任された仕事なんだ。失敗できない。休みなんて取ってられないんだよ!』


日向に初めて怒鳴られて、初めて拒否されて自分でも気が付かないうちに、涙が零れた。


「……もういいよ」


小さく口から零れた言葉だった。


『悪い、言い過……』
 「もういいよ!! もう日向なんていらない」
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