【短編】貴方の背中
勢いだった。そのまま、持っていた携帯を壁に投げ付けてしまった。


ハッ! となって我に返り、慌てて携帯を拾い上げる。


無残にもディスプレイはひび割れ、ジョイント部は首皮一枚で繋がっている状態だった。


もちろん、耳に付けても何の音も聞こえない。


壊してしまったのだ。携帯も日向との関係も、自らの手で……。



それ以降、日向から連絡はなかった。



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