空色LOVE

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「何だった?」




教室に戻ると心配そうに俊樹君が顔を覗き込んできた。






もうほぼ全員教室にいて、それぞれ他愛もない話をしている。








「何でもないよ」




「嘘付くなって…顔ヤバいぞ」







私が鏡を見ると、目は真っ赤になっているや、




頬は血の気のない色になっているやで本当にヤバかった。







「どうせ、付き合ってとか言われたんだろ」




私は鏡から顔を離して俊樹君を見た。








「何でそれ…」




「あいつは分かりやすいから」





私はあいつが直樹君のことを指しているんだと悟った。








「付き合うことになったんだ?」





私が頷くと、俊樹君は眉をひそめた。









「乗り気じゃなさそうだけど」







私はそんなことないよ的なことを言ったけど、俊樹君はこう言った。





「新学期早々大変だな」








付き合ってるってコトは祝福するべきことなのに。




大変なんかじゃないはずなのに。







何で、分かるの?







知られたくない。




なのに、俊樹君には何だかすべて見抜かれてる気がして。








「無理すんなよ」







俊樹君がそう言うと、先生が入ってきて話は中断された。
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