空色LOVE
「うん…ありがと」




私は小さくほほ笑んだ。




単純に俊樹君の気持ちがうれしかった。






「じゃ、俺こっちの道だから」





俊樹君は私に軽く手を挙げると、



背中を向けて歩いて行った。







私は家に帰って、



制服のままベッドに倒れこんだ。






直樹君に触れられた唇に手を当てる。






記憶が甦ってきて、



私は桜を思い出した。








……あの日も、桜が舞っていたっけ。
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