空色LOVE
「アキの漢字は、季節の『秋』じゃないの」





私は一瞬、ややこしいなと思って顔をしかめたけど、続きを聞いた。






「愛される季節って書いて『愛季』って読むのよ」








まだ漢字を習う年じゃなかったから、




何を言っているのかあまり分からなかったけど。






漢字を習い出してから初めて意味が分かった。








「季節の『秋』は愛されてないの?」




「いいえ。でも、夏は暖かかったのに、急に秋は冷たくなるでしょう…急に冷たくなるようなコになってほしくないの」







ふうん、と興味がなかったけど返事をした。





愛されるなら、季節以外でもよかったのではないだろうか。







「でもお母さんは秋っていう季節が好きなの…だから読み方は『アキ』にしたの」






私は頷いた。







「秋の性格じゃなくて、秋自身が好きなんだね?」






お母さんはそうよと微笑んだ。







「アキ、いつまでも愛される季節みたいな優しいアキでいてね」




「うん!!」






私は頷いてニッコリ笑った。
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