愛してるって言って欲しい━安藤里香の場合━
━ねぇ、まだ拾えないの?芋虫でもとっくに拾い終わってるわよ。あんた、芋虫以下ね。━

━あ、そうだ。殺す前に名前、聞いといてあげるわ。言いなさい。━

━み、南・・・。━

━南って名前?それとも名字?━

━名字で・・す・・・。━

南さんには名前を教える=フルネームってなってないのかしら。
普通は礼儀として教えるものだけど・・・。ま、芋虫以下だから仕様がないか。

━南さん、あんた名前聞かれたらフルネームで答えるのが礼儀でしょ?早く下の名前教えなさい。━

━南・・・莉・・・華・・です・・・・。━

同じ・・・名前?こんな芋虫以下の奴とあたしが?
ありえない。

━気遇ね私も里香って言うの。でも、あんたとは大違いよ。あんたみたいな芋虫以下のクズ野郎と同じ名前何て吐き気がするわ。━

私はお茶を一気に飲み干して言った。

━それじゃぁ、左腕に取りかかりましょうか。さ、出して?━

休憩もして体力が戻った私は左腕を直ぐに取り、予定には無かった顔に取りかかった。

━ねぇ、同じ名前だから聞いてあげる。顔で一番自信を持っているのは何処?━

━目、目、です・・・。━

目、ねぇ。
綺麗な目には見えないけどま、いいや。

私はのこぎりから包丁に持ち替えて左目に向かって一気に振りおろした。

グチャッッ

南さんはもう、叫ぶ気力も無いみたいだ。

包丁を目から抜くと一緒に目玉もついてきた。

あー・・・単体で見ると綺麗な丸をしてて良いわね。

私はその目玉を包丁から抜き南さんの口に押し込んだ。

━ねぇ、美味しい?自分の目玉はの味はどう??━

聞いてあげてるのに一向に喋ろうとしない。それどころか口から出そうとしている。

━噛めないなら私が噛ませてあげるのに。飲み込めないなら私が飲み込ませてあげるのに。━

そう言って私は南さんの顎を持って動かした。口の中からは目玉をかみ砕く何とも言えない音がしていた。

< 10 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop