青に焦がれて。
たまたまだった。


昼過ぎに事務所から連絡があり、急遽シフトに入って欲しいと。

1人や2人の休みなら居る人達で回るが、さすがに4人も欠けると人手不足が予想される。

あたしの基本シフトは平日のみでオープンから夕方4時まで。

土曜日のこの日、駅近くでイベントが開催されるので、夕方は繁忙を招く恐れがあった。

特に予定もなかったあたしは
二つ返事で了承した。


いつも働いている店なのに雰囲気が違って見えた。

土曜日という事もあり、大抵のオフィスは休みだからビジネスマンが少ない。

大きな波のピークもない。それにメンバーも。

早番メンバーは主婦や、あたしのようなフリーター。

遅番メンバーは学生さんが多い。土日、祝日も学生さんメンバーで構成されていた。

初めて見る人もいれば、早番と遅番が入れ替わる時間に見た事ある人もいた。

話すのは「お疲れさまです。」程度。

夕方5時からラストの9時まで、メンバーが違う事により新鮮さを感じ、時間は早く過ぎていった。



「お疲れ様です。」

普段絡みのない上、若い子達の会話に付いていけないあたしは、手早く着替えると更衣室を後にした。

「お疲れで~す。」

元気な声が耳に届いた。

若いっていいな。そんなおばさんちっくな事を考えながら、駅構内の表に出た。
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