青に焦がれて。
浩介はリクエストされた曲を歌いながら、あたしに合わせた視線を外さずに終始歌った。

ラブソングを。


歌い終えると、

「今日はおしまーい!!」

浩介はギターを終い始めた。

「えーーー!」

「あともう1曲!!」

女子高生達は不満のようだが、

「ダメダメ!俺これからデートなんだから。」

慣れたようにあしらった。

「デートじゃしょーがないね。」

「次いつライブやんの!?」

浩介と彼女達の会話を聞きながら、一緒の空間に居るのに、自分だけ違う所に居るように陥る。



何もかもが楽しかった日々。

毎日同じ事をしていたのに楽しかった。大きな刺激も、特別な変化がなくても。


地元から離れた高校に通うあたしは、地元の友達と遊ぶ時間が減った。

毎日同じ時間に起きて、昨日と同じ時間に家を出る。

滅多な事がない限り、決まった時間に電車がホームに滑り込む。

数種類の制服を来た高校生の群れに紛れ、窓から流れるいつもと変わらない景色を眺める。

停車駅が残り半分になると、同じ駅で乗った違う制服を来た生徒は半分以下になり、代わりに同じ制服を来た生徒が乗って来る。

「はよー。」

「はよー。聞いてよ!昨日さ、」

なんて下らない話に大笑いしながら、1人・2人と友達が乗って来る。
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